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2019年3月 靖國神社史縁茶会 席主

靖國神社での史縁茶会を無事に終えることができました。

「席主」という私の役割だけでなく、生徒さん達のほとんどがお茶会が未経験で、水屋や点前、半東が初めてだったので、とても大きな挑戦でした。

皆さん、よくわからない中で、朝集合した時から、本当によく動いてくれました。右も左もわからない社中のために、表千家不審庵の短期講習会時代の友人が水屋を手伝ってくれました。会社では立場あるお仕事をされる方も、8つの小学生も、一緒にお客様の草履を出したりしまったりしてくれました。みんなが自分にできることを精一杯してくれました。

ビジネス茶道のお客様も
「お茶会なんて一人じゃいけない」と言っていた友人も
独身時代に一緒にお稽古していた同級生も
数日前にお会いしてお茶会に興味を持ってくださった方も
お茶仲間のお弟子さんたちも
赤坂辻留の女将も
伊藤南山先生も
間もなく海外に転勤になるという生徒さんとそのお友達も
生徒さんのお父様やお母様も旦那様も
いらしてくださいました。

お茶会のための準備や知識、道具、当日の限られた時間のやりくりやハプニングへの対応はどれもどれも大変でした。お茶の世界は難しいことが沢山あります。私の知らないしきたりやルールや慣習もきっとまだあって、そのことで周囲の目を気にしたり、不安になったりすることもあります。
けれど、それらのしきたりやルールはどれも、心を伝えるためのツール。大切なのは、心を伝えること。
私は、茶道の世界を通じて透明な人との繋がり、透明なファミリーをつくっていきたいと思いました。

最後のお席に、お茶会を主催する先生がお正客に入ってくださって、以前大雨になったお茶会の日の話をしてくださいました。ひどい大雨で皆さんに申し訳なくて、席主をされた先生方に「申し訳ありませんでした。」と謝ったのだそうです。大ベテランの先生は「あなたのせいじゃないから謝らないで。雨の日には雨の日の工夫がいる。お弟子はそれでまた勉強になったのよ。雨が降らないとできない勉強よ。」と言われた、その言葉に救われたのだそうです。

私が見上げる先生にも、またその先に素敵な先生がいらっしゃる。年を取るのも楽しみになる、そんな世界がお茶の世界です。

「お茶のお稽古とはいつかあんな人間になりたいなぁと思うことですよね。」とは、私のお茶の先生の言葉。私も本当に本当にいつもそう思っているのです。私も「いつかあんな人間になりたい」と思うお茶の先生方がいらして、お茶をしているのです。

チャーミングで、本当に美しいものを知っていて、威張らずに、コツコツ目の前の毎日を重ねていることがわかる佇まい。決して聖人君子のようなわけではなく、日常の喜怒哀楽の中を生きている。

さて、また日々のお稽古に戻ります。無邪気に楽しく本気のお稽古です。

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