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INTERVIEW

世界観インタビュー

画家・二科展会員 永吉規公子(ながよし きくこ)さん

ご自分を整えるのに、どんなことをしていますか?(身体、心の両面で暮らしの中の工夫、習慣、決め事、お気に入りなど)

年齢も重ねて、身体の不調とは常に共存しています。その中で、大切にしていることは、睡眠と食事です。身体と相談をして、買い物にでかけ、食材を自分で見て、大根1本、キャベツ1玉を、献立が重ならずに使えるよう考えたり、保存食品を作ったりする時間が、頭と身体を適度に使う時間になっています。また、毎日気持ち良い睡眠がとれるように気をつけ、疲れを感じた時には、とにかくたくさん眠るように心掛けています。

大切にしている「関係性」はどんなもの、どんなこと、どんな関係ですか?

大切にしているのは、「人」です。ご縁のあった方たちとの繋がりを大切にしたいと思っています。子ども時代は満州からの引き揚げや、九州から北海道まで11回もの転校を経験していて、それぞれの土地の方たちに助けられて、今の私があります。古い友人と美味しいものを食べておしゃべりする時間、絵の世界の先輩方や共に研鑽を積む仲間との語らい、ご近所の方との交流、家族と過ごすひと時・・・は、私の生命力と創造力の源です。

ご自分(活動やお仕事含め)と社会や他者との繋がりを、どのようでありたいと考えていますか。

常に、お互いに高め合う関係でありたいと考えています。自分の在り方が少しでも誰かの応援になれるよう、また、他者のエネルギーに刺激を受けながら、自分を奮起させるような繋がりでありたいです。それは、身近な友、仲間、家族はもちろんのこと、時代や国境を越えたアーティスト、スポーツ選手からも、日々、パワーをいただいて自分を奮い立たせています。

プロフィール

永吉規公子(ながよし きくこ) Kikuko Nagayoshi

2001年 第86回二科展絵画部特選受賞
2003年 二科会絵画部会友推挙
2005年 第90回二科展会友賞受賞
2007年 第92回二科展絵画部二科賞受賞
2012年 公益社団法人二科会絵画部会員推挙

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福岡県出身。
学生時代は法律家を目指し、大学卒業後は、結婚して家庭に入る。
2人の娘を授かり、主婦としての暮らしの中で、書道、華道は師範までを経験。
50歳、両親の介護をする時代に、アトリエにした自宅の一室で油絵を始める。
独学からのスタートだからこその自由な発想と制限のない夢を抱いて、没頭するようになる。

「詩人のことば」

言葉にならない詩人のことば、形にならない世界のフレームを独特なグレーの色調の中に表現し、多くの人を惹きつけてきた。

子ども時代は満州、鹿児島、仙台、北海道など、数えきれないほどの転居を繰り返し、さまざまな土地での四季の景色と暮らしの営みに触れてきている。

法学部出身、裁判所の調停員という異色の経歴ではあるが、目には見えない、人と人の関係性が生み出す、数々の人生のひとこまに立ち会った経験が、論理的な思考と直観的な感性に磨きをかけ、独自の世界観と美学を生み出している。

「兆し」

(出典: 二科展絵画部Gallery 会員作品)

2011年3月11日後は、世界がさらに美しく再建されていく願いと祈りを込めて、それまでのグレーの世界に柔らかなパステルの光が差し込んでいる。

ニ科会で連続入賞などを果たし、平成24年にはニ科会の会員に推挙され、現在は自己の創作活動に加えて運営や審査の活動にも多忙である。

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