2019年8月 ビジネス茶道×田町まさよ氏 日本橋コレド室町「橋楽亭」にて「平和の茶会」
8月6日「平和の茶会」
ミキの田町まさよさんと「平和の茶会」が、8月6日の広島原爆記念日に予定していたビジネス茶道で実現いたしました。
表千家流茶道に、こうした茶会の形式があるわけではありませんが、平和を祈る茶会として、奄美大島の神事祭事のミキと塩とお花をお供えして、平和を祈る茶会にしたいと考えました。向井明美さんにお花をご用意いただいて、みなさんで献花しました。
供花
りんどう
花言葉「あなたの悲しみに寄り添う」
群生せずに1本1本咲く姿に、「悲しんでいるあなたを慰めたい」という言葉が連想されています。人は生きていく中で、たくさんのものを失くします。それは大切な物であったり、時には恋人との別れ、さらに家族や大切な人との死別など、その人にとっては耐えがたい悲しみをもたらすこともあります。
カーネーション
キリスト教での花言葉「哀れな心」
ヨーロッパには、キリストが処刑されたとき、聖母マリアの涙のあとから生えた花だという伝承がありました。そこで聖母像にはよくカーネーションが登場し、母性の象徴として描かれました。カーネーションは受難の象徴でもあります。
テッセン(クレマチス)
花言葉「精神の美」「美しい心」
細い茎に大きく鮮やかな花をつける様子が、心の在り方と美しさを表現するものとされたことに由来しています。
ナルコラン
花言葉「元気を出して」「心の痛みがわかる人」
瞑想とミキ
まさよさんの誘導で、10分近く瞑想をしました。
”私たちは、平和のバトンを今生きている皆さんにお渡しします。
私たちが生きている間に叶えられなかった夢
”寿命を生きるということ、
戦争のない平和な世界を肉体を持って体験するということ。”
地球を今よりも美しく緑あふれる多様なイノチの星にして
次世代にバトンを渡すということ。どうぞ皆さんが叶えて下さいますように。
皆さんへのお願いです。
私たちのように戦争で死ぬ人が一人もいない世の中を
どうぞ皆さんが作ってください。
皆さんが平和の使者になってください。
心に平和を持ち、平和を実践する人になってください。
私たちは、皆さんに私たちの夢を託して、天から皆さんにエネルギーを送ります。
皆さんが平和を想う時、
私たちも一緒に祈っていると感じて、
私たちの祈りを皆さんの力にして、
どうか使命を果たされますように。
今日という日がその始まりの日になりますように”
これは、この瞑想の時間に、まさよさんの元に降りてきたメッセージです。
私たちが原爆のことをニュースで知るときは、いつも悲惨な被爆の姿を見ていますが、この日、この時、この茶室で、亡くなった方たちがさわやかな姿で私たちと一緒にいたように感じました。
その方たちが、私たちに笑顔で伝えてくれたことは「私たちが生きられなかった分も、みなさんは一生懸命に生きて幸せになってください」ということでした。
「喫茶去」
掛け軸は「喫茶去(きっさこ)」にしました。
なんとなく、この日、たくさんの死者の方たちと一緒にお茶が飲めるような気がしたからです。
「喫茶去」とは
趙州禅師の下に修行僧が訪ねてきた時、「ここへきたことがあるか」と尋ね、「はい」と答えた者にも「いいえ」と答えた者にも、「お茶を飲んで(目を覚まして出直して)こい」という同じ語を浴びせて叱った。
「はい」と答えた者は過去に囚われ、「いいえ」と答えた者は今来てることに気づいていないからである。
それがいつしか「お茶を飲んで行け」の意味に転じて用いられるようになり、茶室にこの語がよくかけられる。激しい叱責も優しい寛容も、実は同じことなのだという、人と人の出会いや言葉の働きの不思議さが感じられる。
虎屋謹製の「青」
新引粉をまぶした求肥生地を砂漠に見立てて、中央には青い琥珀製のオアシスを配したお菓子です。夏の暑さを忘れさせる、すがすがしい意匠です。
その年の夏の広島、長崎、沖縄では、多くの被爆者たちが水を求めたと言われます。国や民族が違い、難しい外交問題がある時代にあっても、疲弊して砂漠のようになった心にも、一人一人がオアシスを保てるような気持ちで平和を守れますように。
平和の茶会
平和の茶会は、これを機にさまざまな形で続けていきます。奄美大島や沖縄、広島、長崎でも平和の茶会ができたら嬉しいです。
お花は皆さまに少しずつお持ち帰りいただきました。