12月のお稽古(稽古仕舞)
12月13日「事始め」の日に稽古仕舞い
表千家の家元では、12月13日の「事始め」の日を、その年の最後の稽古日(稽古仕舞い)としています。この日は、家元(ご家族)から弟子たちにぜんざいが振舞われてきています。これは、一年間、無事に稽古ができたことを祝い、来る年への準備を始めるという意味もあり、太平洋戦争までは、家元のぜんざいは続けられたそうです。そして、これにならって、それぞれのお稽古場でも、ぜんざいで一年の無事に感謝する習わしがあるのです。
「事始め」とは元来、宮中での「事始め」の日で、新年をひかえてその準備を始める日です。普段は御所の女官も袴をつけませんが、この日は掃除のために袴をつけるのだそうで、御所の出入りの餅屋『川端道喜』では、これにちなんで台形の形をした菓子を作るようになったようです。
我が家のお稽古も、今年ははじめて、ぜんざいをお出しして、一年の皆様の無事を祝いながら、お稽古仕舞いといたしました。
ぜんざい(善哉)
善哉という言葉は、もともと仏教の言葉で、「すばらしい」「めでたい」という意味があり、一休禅師が小豆汁の美味しさに「よきかな(善き哉)この汁」と称賛したことが名前の由来の一説とされています。日本語には、音と意味をあらわす漢字の文化があるので、縁起のよい漢字をあてることがよくありますね。
陰暦十月は出雲では神在月と言われ、その時の神事で供される「神在餅(じんざいもち)」がまなって「ずんざい」「ぜんざい」と変化した説もありますし、またまた、小豆餅をお湯で自在に薄めて作る「自在餅(じざいもち)」から「ぜんざい」になったという説もあります。
小豆の赤い色には、昔から厄除けや疫病除けの力があるとされました。また、貴重な植物性たんぱく源でもあったので、日本では古くから、お赤飯やおはぎ、ぼたもちなど、節目節目に小豆を食す習慣があります。